【読書感想文】天才はあきらめたのかもしれないが、それでも山里亮太(山ちゃん)は限りなく天才に近い努力の塊ではなかろうか
こんにちは。
&フォーク(@andfolk)です。
久しぶりに読書感想文なんてものを書いてみようかと思います。
読書感想文と言うと小学校や中学校を思い出しますが、数日前に8月も終わったので良きタイミングではないでしょうか。
夏休みの宿題を9月に入ってもやってる様な雰囲気です(笑)
いえいえ。
これは好きで書くのですから、いいんです。
「天才はあきらめた/山里亮太」の読書感想文
前から気になっていた本の一つでもある「天才はあきらめた/山里亮太」。
先日読み終えました。
タイトルからすでに天才風な感じを出してる気もするのは僕だけでしょうか。
「劣等感は最高のガソリン」
というフレーズもかなりエッジの利いた言葉遣いですよね。
この「天才はあきらめた」は、山ちゃんの芸人を目指すきっかけやこれまでの芸人人生をかなり素直に振り返っている内容になっていると思いました。
(この本は2006年に出された「天才になりたい」という本を改題し、大幅に加筆・修正を加えた本なのだそうです)
帯に書かれている、
『あの実力があって慕われていないとなると、よっぽど人望がないのだろう』
というオードリー若林さんのコメントだけ見ても、本の中身を読んでみたくなる感じがありますね。
「何者か」になりたいのは、僕も同じ
全編通して「芸人人生の振り返り」であると僕は感じましたが、「人生の振り返り」とも取れる様な内容かとも思います。
お笑い芸人を目指すところから始まるわけですが、その前に心がボキッと折れてしまっていた時の話が出てきます。
ほぼ冒頭で、です。
グッと引きつけられてしまいました。
読み進めていけばわかることですが、そういう話が所々で出てきます。
凄いのが、その都度それをエネルギーに変換してきているということ。
「劣等感は最高のガソリン」という言葉がまさにピッタリです。
本人も書いていますが、発想や考え方が「クズ」寄り。
僕の中ではクズというか「ひねくれ」という印象ではありますが、とりあえずなかなか特殊な思考回路になっている人なんだなぁと感じました。
- 自分は人とは違うことをしているから特別なんだと思う
- 相方に求めるものがかなりキツイ
- 自分のことは棚にあげがち(ほぼあげたまま)
- 敵とみなした相手は「地獄ノート」に記録
などなど、非常に尖っている部分を持っていたのです。
テレビで見かける山ちゃんの発言や返しの鋭さはそういう部分の表れなのかなと思いました。
相方への要求が相当ヤバイ
基本的に目的に向かってストイックな姿勢という部分は、本当に尊敬できます。読み進めていけばいくほど、そう思えるほど山ちゃんは努力を続けるので「積み上げ量」がとてつもないのだと感じます。
だからこそなのか、相方に求めることもめちゃくちゃだったりします。
ネタを書く山ちゃん。
そこで主導権を握ったら、最後まで支配権を持ち続ける。
本の内容から持ってこなくてもこの言葉がピッタリなんです。
暴君
読めば読むほど暴君な山ちゃん(笑)
鬼の特訓をさせたり、大量の資料を読み込ませたり、スキルアップの為とはいえその方法がかなり独裁者寄りだなぁと感じました。
文章で読んでいるだけでもね。
そういうことを続けていくと、人は死神にも見えてしまうほど見た目から変わってしまうらしいです。
もし僕が山ちゃんの相方だったら(山ちゃんの相方に求める条件に一つも当てはまりませんが)、おそらく三日と持たずに解散していると思います。
いや、ネタ合わせ初日で無理かも(笑)
その次の相方と、足軽エンペラーというコンビを組んで活動している時もその暴君っぷりは継続。
天才をあきらめていないうちはそんな感じだったんだなぁなんて、僕は勝手に解釈しています。
この暴君山里に関しては、是非とも実際に読んで知ってほしいと思います。
山ちゃんの能力の高さや熱量などがそうさせたのかもしれませんが、とにかく尖り方がキツくて周りも傷つける勢いなのがもはや胸を打ってきます。
南海キャンディーズとしずちゃん
この南海キャンディーズ時代の話は、なんとなくイメージしやすい内容だったかと思います。
ピン芸人時代のしずちゃんとの出会いからM-1決勝出場、不仲時代を越えて現在の南海キャンディーズへ。
リアルな物語を読んでいることも相まって、次々とページがめくられていきました。
山ちゃんの考え方は最初から大きく変わっていないようで、相当な戦略家タイプなんだと思います。
ゴールというか目的を定めたらどうやったらそれを達成させることができるのかをきっちり考えることができるのです。
ネタを書いているという部分も大きいとは思いますが、それにしても一つ一つのことに対して考えを巡らせて答えを出していくしそれを繰り返すことができる。
起業家みたいな要素すら感じました。
しずちゃんを相方として選んだことも、しっかりと意図するところがあって選んだようです。
今、どうすれば売れるのか。
それを突き詰めて考えて環境を整えていく。いや、環境を作っていくと言った方が適切かもしれませんね。
- 当時は男女コンビが今よりもずっと少なかったこと
- 見た目もかなり重要だと考えていた
- 勝ち残っていくためには何が必要かを考えることをどこまでも続けた
やはり分析能力も高いと言えるのではないかと思います。
それでもしっかり暴君ではあるのですが(笑)
とはいえ、
しずちゃんを相方にしたくて誘った時もしっかりとしずちゃんとのネタを書き、それを見せた上でやるかやらないかを委ねるという筋の通った方法を選んでいたりもします。
そこに至るまでの準備は、もちろん怠っていないのが山ちゃんらしいところ。色々なことを調べた上で相方として誘うんだから、本当に戦略家だと思います。
努力をしたがらない自分の為に努力して努力させる男
本人が何度も本の中で書いている「自分はクズ」ということ。
たしかに、数十ページ読んでいくとそれが強く伝わる部分も多いと思います。
だけれども。
それ以上に興味深く伝わることもありました。
それが、
自分の悪い癖を理解して力にしていく「変換力」を持っている
ということ。
すなわち「劣等感は最高のガソリン」ということです。
自分、あるいは自分たちが認められなかったり不遇な出来事に直面した時。
それを原動力に変換する能力があるというのが、かなりパワフルだと感じました。
普通なら凹んでしまうだけの言われ方をしても、それをバネにして「これからの自分達」の力にしていくという簡単そうに見えて相当タフな精神が必要な作業をめちゃくちゃ繰り返しているんだからすごい。
他人に対してもたしかに厳しいことも多いのだろうとは思いますが、同じくらい自分自身に求めているものも多いということも言えるかと思います。
もちろん暴君時代も長いので、本当にひどい時期もあった感じではありますが(笑)
だけどどうでしょう。
自分がサボってしまう癖があることを認めて、じゃあどうすればサボってしまわないようにできるかを考えてちゃんと目的に向かって体を動かし続けられることというのは非常に難しいことではないでしょうか。
自分自身に言い聞かせることができる。
自分自身を支配していく。
この辺の能力もかなり高いのではないかと思いました。
出会いに恵まれるという「才能」
どうやら山ちゃんは縁というものを手繰り寄せる力もあるようです。
それは先輩であったり作家さんであったり、そして相方であったり。
縁というものはたしかにそのほとんどが「運」でもあると思います。
でもその運(チャンスとも言い換えられる)をモノにできるかどうかはそれまでの準備、すなわち努力で決まると言っても良いでしょう。
それが出来ていて初めて運が良かった悪かったという話ができるのではないかとも思います。
山ちゃんは、それだけの準備が出来ている人であったということはこの本を読めば誰もがわかるのではないでしょうか。
出会うだけではなく、自分の目的と擦り合わせて「じゃあどうすればいい?」を常に考え続けられることが山ちゃんの大きな強みなんじゃないかと思いました。
おわりに
この「天才はあきらめた/山里亮太」という本の魅力もたっぷりお届けしたかったのですが、だいぶ偏った書き方になってしまいましたね。
もっと山ちゃんのダークな部分を適当にご紹介したかったのですが、どうもそうではない内容が印象に残っていて僕なりの解釈での感想が強めに出ていると思います。
僕が南海キャンディーズが好きであることと、山ちゃんが好きであることが邪魔をしましたね(笑)
とにかく、山ちゃんの努力の量の圧倒的多さが目立つ内容だったと思います。
もちろんキツイ性格な部分もしっかりと書かれていましたし、苦悩や辛かった部分もしっかりと書かれていて僕まで苦しくなりました。
自分の恥ずかしい部分をこうやって本に書き記すことができるのも、乗り越えてきたものが多い人の証なのかなと感じます。
以前、山ちゃんについて記事を書いていたことをこのタイミングで思い出しました。
andfolk-kokorokorokoro.hatenablog.com
お笑いも好きなので、やっぱり山ちゃんという存在は気になります!
この本の面白い所として、「解説」まで面白いということが挙げられます。
この「解説」の部分を書いているのがオードリー若林さんです。
中の良い友達であるからこそ言い回しも遊び心があるのかと思いますが、独自の観点からきっちり解説してくれています。
若林さんの書く文章もまた、かなり面白いのでそれだけでも充分楽しめてしまうというまさかの展開です。
友達であると同時にライバルでもあるという、非常に理想的な関係性だなぁと感じました。
褒めたくない、褒めるつもりなんてない。
むしろ潰してしまいたいと思っているくらいなのに、結局褒めちゃう若林さん。
「頭の回転、語彙力、間」
この3つの能力がとてつもなく高いレベルで最前線を突っ走っているように感じる、という部分は全くその通りだと思いました。
自分からももちろん切り込める人ではあると思いますが、切り返しの切れ味が群を抜いているというのは前から感じているところではありました。
山ちゃんが喋るときは、ワクワク出来ます。
つい期待しちゃう自分がいる芸人さんも、そんなに多くはないですから相当です。
そんな山ちゃんが書いた本、とっても楽しく読ませていただきました!
読書感想文としてはかなり拙いものになってしまった感じもしますが、これも一つのサンプルとしていつか山ちゃんの目に止まるといいなぁなんてことも書いておきましょう。
これからも気になる存在の南海キャンディーズ山ちゃん。
天才はあきらめたのかもしれないが、それでも山ちゃんは限りなく天才に近い努力の塊ではなかろうか。